白井智之「少女を殺す100の方法」読後感は最悪
前々から気になっていた白井智之さんの著「少女を殺す100の方法」
を手に入れることができたので早速読んでみました。
「少女を殺す100の方法」
タイトルからして禍々しい小説だということは分かります。
しかしいざ手に取って読んでみると、その趣味の悪さは予想の斜め上を行くものでした。
思わず内に秘めたサディズムもすんでのところで爆発しそうでした。
悪趣味ランキング
「少女を殺す100の方法」は全5編からなる短編小説です。
その中で趣味の悪かった話をランキング形式で発表していこうと思います。
5位と4位はあまりおもしろくなかったので、内容説明は省かせていただきます。
第5位「『少女』殺人事件」
5編の中ではもっとも落ち着いた章でした。
第4位「少女が町に降ってくる」
グロとミステリーの融合。白井智之さんらしさがもっとも表に出た作品だと思いました。
第3位「少女ビデオ 公開版」
「00:00:00 おはよう。クソオヤジだ。」
という書き出しで物語は始まります。
カメラに語りかけているのは昔少女の死体処理を請け負っていた男性です。
彼の仕事内容は、次々に捨てられる「少女」の死体を処理すること。
しかし一般的に行われるように、山奥に捨てたり燃やしたりする処理方法では他人に見つかる危険をはらみます。
ですから男の処理方法は一風変わったものになるわけです。
男の死体処理方法
まず、運ばれてきた瀕死の少女の息の根を止めます。
※
次にその少女の死体をバラバラに切断し、冷凍庫に保存します。
そしてまた別の瀕死の少女が運ばれてきます。
その少女に冷凍保存しておいた少女の肉をあますことなく食べさせます。
全て食べ終わったらその少女を殺します。
※リピート
しかしあるとき男性はとある少女と交わり、うかつにも子供を孕ませてしまいます。
男性は少女の世話を続けるうちに次第に愛着が芽生え、殺すに殺せなくなってしまいました。
結局、お腹の子供は産ませることになります。
そしてその産ませた子供こそが、「おはよう。クソオヤジだ。」で始まるビデオレターで男性が語りかけている相手なのです。
第2位「少女教室」
こちらも「少女が町に降ってくる」同様、グロとミステリーがうまいぐあいに融合した作品です。
他の章ではグロ要素が強すぎてミステリー要素がかすんでしまうということがありましたが、ここではそれらがいい塩梅に組み合わさってサクサク読めるように書かれています。
で、話の内容を簡単にまとめると…
とある中学校の女生徒20名が頭部を小銃で撃ちぬかれ、あげく見分けがつかないほどに顔面をつぶされて虐殺されているのが見つかります。
そのクラスの総員は21名。がしかし、死体として見つかったのは20名だけ。
ということはその20名を殺した犯人は残りの1人ということに。
なるほど見分けがつかないように顔をめちゃくちゃにして去ったのはそういうことだったのか。。。
しかしもちろんその伏線が回収されることはありません。
真犯人は残った1人の少女ではなく......
というお話です。
最後の犯人がわかったときは思わずうなりました。
多少非現実的な描写もところどころにありますが、ミステリー作品としてはよくできた話だと思います。
第1位「少女ミキサー」
これはミステリー要素のかけらも感じない、ただただグロ要素だけを詰め込んだ作品です。
話の内容
どこかよく分からない施設に大型のミキサーが設置されています。
そのミキサーには1日に1回、どこからともなく少女が降ってきて収容されます。
ミキサーの中にいる少女の数が5人以上になるとミキサーは稼働し、少女はあとかたもなく裁断されてしまいます。
しかしミキサーが稼働する条件は「少女の数が5人以上になること」以外にもう一つ。
それは「『生きた』少女が5人以上になること」です。
これに気づいた筒の中の少女らは、1日に1度降ってくる少女を殺さざるをえなくなります。
自分が生き延びるためなら、仲間の死をも厭わない。
そんなお話です。
読後感は最悪でした。
終わりに
アマゾンのレビューにて
「ダイエットにオススメ。読了後は食欲がわかないので。」
みたいな意見がありましたが、まったくその通りだと思います。
僕も、この小説を午前中に読んだのが間違いでした。
今日一日は読後感の気持ち悪さと格闘しなければならないようです。